こんにちは、チョトラです!
「カスタマージャーニーマップってイマイチよく分からない…」
「カスタマージャーニーマップってどうやって作るの?」
と悩んでませんか?
そこで今回は、カスタマージャーニーマップの概要やポイント、作成方法、事例などを解説します!
この記事は以下の人におすすめ!
- カスタマージャーニーマップの基本をおさえたい人
- 顧客視点に立って、サービスや業務を改善したい人
- マーケティングスキルを向上して売上upをさせたい人
この記事を読めば、より優れた顧客体験を提供するには、どうしたら良いのか?のヒントが見えるはずです。
顧客・職員満足度も上がり、患者さんや職員から選ばれ続ける病院となることでしょう。
それでは、どうぞ!
カスタマージャーニーを直訳すると、「顧客、旅」になります。
顧客が、商品やサービスを知ってから購入に至るまでの様々な意思決定や行動は、まるで「旅」そのものです。
カスタマージャーニーは、一般的には以下のようなフェーズをたどることになります。
顧客が企業の商品を知ってから、どんな感情を持ち、どんな行動をとるか、そして最終的に購入に至るのか?
この一連の動きを言語化し、可視化して時系列にまとめたものを、「カスタマージャーニーマップ」といいます。
スポーツブランドで商品を買う場合の、カスタマージャーニーマップを考えてみましょう。
ユーザーが辿るカスタマージャーニーは、例えば以下のようになります。
SNS投稿で知る → 口コミ・商品情報チェック → 来店 → 試着 → 購入
カスタマージャーニーが定まったら、それぞれのフェーズでの接点やユーザーの行動・思考などをまとめていきます。
横軸にユーザが購入までに辿るステップを、縦軸にユーザの「行動、感情、思考、課題」などを設定します。
上のマップでは、ユーザーが初期に考えていたことは、「かっこいい!良さそう!」といった漠然とした感情ですが、購入フェーズに近づくにつれて「サイズがぴったり!他にもいいものあるかな?」といった具体的な感情へと変化しています。
フェーズによってユーザーの行動や感情は異なるため、企業はをフェーズごとに施策を最適化しなければなりません。
このように、カスタマージャーニーマップを作ることで、より効果的なマーケティング施策を考えるのに役立ちます。
感情曲線を加えると、より分かりやすいマップになるのでおすすめです!
感情曲線は「楽しい・嬉しい・ワクワクする」時に曲線が上昇し、「悲しい・めんどくさい・ストレス」の場合に、曲線が下降するよ!ユーザーの感情変化をイラストや曲線で表現することで、関係性が一目でわかるようになり、より一段深い分析ができるようになりますね。
カスタマージャーニーマップ自体は、昔からある概念・手法ですが、近年になって注目が集まるようになってきています。
なぜでしょうか。それは、企業と顧客の接点が劇的に増えたことが大きく影響しています。
かつて、顧客が企業の製品・サービスを知るきっかけは、テレビや新聞、雑誌広告などが多かったですが、現在はどうでしょう。
自社Webサイト、SNS、ブログ、通販サイト、口コミサイトなどなど、スマートフォンやインターネットの普及により、顧客と企業の接点は多様化してきています。
こういった背景から、顧客の購入パターンが複雑化する傾向にあり、マーケティングが一筋縄ではいかなくなってきています。
そこで登場するのがカスタマージャーニーマップです。
カスタマージャーニーマップを作成すると、多極化した顧客の購入パターンを整理・把握しやすくなります。
ここまで、カスタマージャーニーマップの基本的知識について解説してきました。
では、カスタマージャーニーマップを導入することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
主に次の3つがあげられます。
ビジネスの現場では、いつの間にか顧客目線を忘れて企業目線になってしまうことが往々にしてあります。
これは商品作りに力を入れた場合や、商品内容にこだわりがある場合に多いです。
顧客目線を忘れてしまえば、当然、ビジネスはうまくいきません。
その点において、カスタマージャーニーマップを作成しておけば、顧客の心理に深く寄り添えることで、顧客体験を向上させる施策を打ち出せるようになります。
カスタマージャーニーマップを用いて各フェーズにおける課題を洗い出すことで、それぞれの課題の緊急度・重要度の比較が容易になり、優先順位をつけられます。
スケジュールが立てやすくなり、早期の改善も見込めるようになります。
迅速な改善を繰り返し顧客から信頼された結果、購入後体験の向上・リピート率の向上につながるでしょう。
カスタマージャーニーマップがあると、関係者間で認識のすり合わせを行いやすくなります。
マップを見ることで「今、どういう顧客の行動や感情の課題に対し、施策をおこなっているのか?」といった議論が、ぶれなくなります。
関係者全員で顧客目線に立った施策を、スピーディーかつ高精度に進められるため、カスタマージャーニーマップは、非常に強力なツールといえるでしょう。
カスタマージャーニーマップを作成する手順は、以下の通りになります。
まずはゴールの設定をします。
例えば次のようなものが考えられるでしょう。
- 主力製品のリピーターを増やす
- 店舗からの購入を減らし、Webサイトからの購入を増やす
- 既存顧客に新メルマガの登録を促す
- 自社サービスに関する口コミを増やす
設定するゴールによって、カスタマージャーニーマップの形式は変わってきます。
そのため、必ずゴールを設定した上で作成に入るようにしましょう。
ゴールを設定したら、次にペルソナの設定をします。
ペルソナとは、架空のユーザー像で、自社製品・サービスのターゲットを、具体的なイメージに落とし込んだもののことをいいます。
- 年齢、性別、職業、居住地、家族構成、交友関係
- 趣味、ライフスタイル
- 価値観、性格、悩み
ペルソナを設定することで、ユーザーの行動や気持ちを想定しやすくなります。
ゴールとペルソナを設定したら、カスタマージャーニーマップの横軸と縦軸を決めます。
横軸には、自社の製品・サービスを認知してから購入(あるいは顧客登録、メルマガ登録、口コミなど)に至るまでの各フェーズを設定します。
そして縦軸には、一般的には、「自社との接点」「行動」「思考」「課題」という項目を設定します。
もちろん、自社の目的や状況に応じて変えても問題はありません。
「キーワード」「感情の種類」「感情の度合い」「関係者」などを設定するケースもあります。
縦軸と横軸が定まったら、各要素を埋めていくことで、カスタマージャーニーマップを完成させます。
設定したゴール、ペルソナをもとに、各フェーズにおける接点や行動など整理していきます。
カスタマージャーニーマップを作成するポイントを、3つご紹介します。
当然のことではありますが、人物が異なれば視点も異なります。
一人だけの視点で作られたカスタマージャーニーマップは、その人個人の見解になってしまいます。
複数人で一緒に作成するようにすると、生産的で楽しいものになりますし、新たな視点が得られて完成度が高くなります。
カスタマージャーニーマップをはじめて作成する場合、いつの間にか作成すること自体が目的になってしまうケースが少なくありません。
本来の目的は、作成したカスタマージャーニーマップによってマーケティング上の課題を解決することです。
ただ作成するだけで満足してしまったり、時間がなくなってしまったりするようなことがないよう、注意してください。
同じカスタマージャーニーマップを何年も使い続けることは好ましいことではりません。
なぜなら、市場環境や顧客のニーズは、日々変化していくからです。
例えば、昨今のコロナウイルス感染症により、店舗へ足を運ぶユーザーの数が激減しました。
外出を控えるようになったユーザーは、購入までのタッチポイントが店舗ではなく、ECサイトに移ったと予想されます。
こうした環境の変化に、ユーザーの行動や思考は大きく影響されるため、1度作ったカスタマージャーニーマップを使い続けると足元をすくわれます。
定期的にマップを見直し、常に目の前のユーザーと向き合う姿勢を大切にしましょう。
最後に、カスタマージャーニーマップの活用事例を2つ紹介します。
中部国際空港セントレア(以下、セントレア)は、愛知県にある国際空港です。
セントレアは、飛行機を利用できる施設でありながら、アミューズメントやショップ、レストランなど、遊び場が充実している施設でもあります。
セントレアでは、集客力向上を課題に感じており、カスタマージャーニーマップを活用しました。
具体的には、「週末に遊ぶ場所を探しているカップル」をペルソナとし、遊ぶ場所を探す段階から実際に遊ぶまでの流れをカスタマージャーニーマップに。
より現実に即したものとするため、実際のセントレア利用者にインタビューを行いながら作成したようです。
この取り組みにより、公式サイトにボトルネックがあると判明し、コンテンツの改善を実施。
具体的には、空港まで地図を分かりやすくしたり、週末のイベント情報を掲載したりしました。
その結果、セントレア全体の集客力向上を達成しました。
リコージャパン株式会社は、主に企業向けに複合機やレーザープリンタなどの販売・メンテナンスを行っています。
リコージャパンでは、従来から、「新規顧客には可能な限りリピーターになってもらいたい」という思いがありました。
その背景には、「新規顧客の獲得コストが高い」「新規顧客は導入までに時間がかかる」といった事情があったようです。
そこで、リコージャパンでは、製品導入前のカスタマージャーニーマップに加え、製品導入後のカスタマージャーニーマップも作成。
この取り組みにより、導入後に顧客が感じる疑問や不満などを把握しやすくなったようです。
結果的として、質の高いアフターフォローが行えるようになり、リピーター増と収益増を達成したとのことです。
今回はカスタマージャーニーマップについて、その基本的知識や作成方法、ポイントなどを解説しました。
ポイントをまとめますと、次の通りです。
- 企業と顧客との接点が劇的に増えた背景から、近年、カスタマージャーニーマップが注目されている
- 導入により、関係者全員で顧客目線に立った施策を、スピーディーかつ高精度に進められる
- カスタマージャーニーマップは、作成後も定期的なアップデートが必要である
近年、カスタマージャーニーマップの医療版「ペイシェントジャーニーマップ」が注目されております。
患者さんが病気を認知し、医療機関で診断や治療を進めていく一連のプロセスの中で、どんな感情や考えで行動するか?を把握するためのツールです。
従来の医療機関は、医療提供者側からの目線で、サービス改善を図ってきました。
「病気の理解が進むように、患者さんにわかりやすい資料を配布しよう」
「外来の待ち時間を短くしよう」
「紙のアンケートで、患者さんからの声を集めよう」
などです。
これらは、病院に直接きた時という「点」での対応しかできておらず、効果が非常に限定的でした。
なぜなら、生活の大部分を占める患者さんの日常に介入できず、良好な関係を築く機会を損失しているからです。
しかし、インターネットや、SNS、LINEなどの発達により、患者さんと医療機関のタッチポイントが劇的に増えてきました。
病院に行かずとも口コミやSNSから情報を入手でき、LINEで病院やクリニックとつながり、いつでもメッセージのやりとりができる時代です。
さらに、オンライン診療、オンライン服薬指導の発展により、オンライン上で医療が完結する世界になりつつあります。
これからの時代は、オフラインからオンラインまで患者さんと医療機関は24時間常時リアルタイムでつながり、患者さんの生活を起点にした「線」でのサービスがより一層普及していくでしょう。
その結果、もはや今までのように、患者さんは物理的な近さから病院を選ぶのではなく、本当に優れた医療体験が受けられる病院を自ら選ぶようになるでしょう。
「患者さんの生活を第一に考え、最良の結果と最高の医療体験を提供するためにはどうしたらいいのか。」
この問いに、ペイシェントジャーニーマップが有効であることがお分かりいだけるかと思われます。
ぜひ、皆様の医療機関でも、この記事の内容を実践してみてください。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!