こんにちは、チョトラです!
「データが部門ごとに散らばって、うまく活用できない…」
「このデータ、どうやって他のチームと連携すればいいの?」
と悩んでませんか?
そこで今回は「組織内でデータのサイロ化が発生する原因」と「その解消方法」について解説します。
この記事は以下の人におすすめ!
- データのサイロ化について知りたい
- 他部門とデータを連携するための適切な方法を知りたい
- データを活用して、スピーディーな経営判断をしたい
この記事を読めば、 データのサイロ化について理解し、データ利活用に向けた施策がうてるはずです!
データが各部門ごとに分断されて、連携できずに疲弊していませんか?
ぜひこの記事を読んで、データ整理のノウハウを身につけていただけたら幸いです。
それでは、どうぞ!
サイロとは、「農作物や飼料を貯蔵する、背の高い建物」のことです。
それぞれの建物の中へ、小麦、トウモロコシ、牧草などを、混ざらないように別々に保存します。
内部は気密性が高く他の建物と分断され、連結できません。
したがって、サイロから中身を取り出すときも、毎回個別に作業を実施します。
サイロのこのような特徴から「サイロ化」という言葉がうまれ、ビジネス/IT領域で使われるようになりました。
サイロ化とは、各部門が独立して分断された状態で存在し、外部と連携できない状態を指します。
一般的に、阿吽の呼吸で仕事ができる小規模の組織では起きにくく、大企業でより発生しやすい傾向にあります。
企業が直面するサイロ化は、「組織構造のサイロ化」と「データのサイロ化」の2つに分かれます。
これらはいずれも、業務効率を大きく低下させます。
国内企業では、部門が縦割りで構成されている場合が多いです。
みなさんも自分以外の部門がどんなことをしているか、正確に把握できていないのではないでしょうか。
時に部門間でいがみあったり、責任をなすりつけあったりすることもあるかもしれません。
こうしたサイロ化が組織内で発生すると、部門間でのシナジーを起こせず、会社の成長にとって大きなマイナスとなりえます。
データのサイロ化は、部門内で作成したファイル、顧客情報、ノウハウなどを、閉ざされた部門内でのみ共有されている状態です。
部門毎に別々のソフトウェアやツールを使ってしまうことが、この状態に拍車をかけることに…
その結果、部門間でのデータ共有が少なくなり、後述するさまざまな問題が発生します。
組織内で、データのサイロ化が発生する原因はなんでしょうか?
以下の3つが原因として考えられます。
組織を職種や専門性ごとに分割すると、やるべき仕事が明確化し、同じ部門内でのコミニケーションは円滑になります。
結果として閉じた部門内で業務はスムーズに進むようになり、高いパフォーマンスが発揮されるでしょう。
しかし組織全体としてみると、他部門と連携できずに、データが共有しにくくなるマイナス面が生まれます。
他部門とのデータ連携のためのコストも増加し、1つのプロジェクトがスムーズに進まない原因に。
これを回避するには、なるべく各部門のデータを、組織全体で管理できるようなシステムや仕組みが必要です。
部門ごとに独自のシステムやツールを利用していると、部門間のデータ共有や連携が難しくなります。
なぜなら、同じようなデータが違う場所にバラバラに保管されているから。
部門ごとに別システムを運用しているケースは多いですが、これでは適切にデータ管理ができているとはいえません。
組織内でアナログデータが混在しており、サイロ化しているケースも多いです。
まずはアナログデータをデジタル化し、組織として管理しやすい状態に変更する必要があります。
アナログデータのままだと、データの共有は難しく、一度作成したデータは埋もれてしまい、サイロ化しやすい傾向に。
ペーパーレス化や電子化など、アナログからデジタルへの変換が、DX推進には欠かせません。
データのサイロ化によるデメリットには、以下が挙げられます。
部門間で情報共有が不足すると、同じような作業を繰り返すことになります。
すでに組織内に同じようなデータがあるにもかかわらず、その存在に気付かなければ、再確認したり、データを作り直したりする作業が発生することに…
このようなことを繰り返していれば、組織全体として、業務効率はどんどん悪化していきます。
サイロ化は、サービスの品質低下につながります。
顧客満足度を向上させるには、さまざまな部門から顧客の声を集めて分析し、何らかのアクションにつなげる必要があります。
しかし、もし顧客情報が一部の営業部門だけに把握され、サービスやプロダクトの開発部門に共有されなかった場合どうなるでしょうか?
顧客の声を反映した施策を打てず、顧客満足度は低下して離れていってしまうでしょう。
このようにサイロ化は、サービスの品質を低下させ、ビジネスチャンスを逃す原因となります。
部門内でしか情報共有できていなければ、同じ考えや価値観のメンバーだけが集まり、イノベーションは生まれません。
新しいサービスの開発を進めるためには、他部門同士で積極的に意見を交わす必要があります。
また、情報共有されずデータ収集ができない事態は、経営判断に必要な情報が不足し、誤った意思決定につながります。
各部門でどのようなシステムでデータを蓄えているのか、各部門のデータをうまく吸い上げながら、分析しながら、課題を素早く解決できなければなりません。
そのためにも、データは整理され、必要なときに、すぐに取り出せる必要があるのです。
このように、サイロ化が組織に及ぼす負の側面は、極めて大きいといえます。
上記のとおり、細かい業務が増えるということは、その分データの数やサイズも膨らんでいきます。
また、何度もデータを探し取り出すことは、時間もかかってしまうことに…
データを管理するためのシステムやツールが増えていく場合もあるでしょう。
このように、データ運用にかかるコストは、雪だるま式に増えていきます。
どのようにデータのサイロ化と向き合えばよいのでしょうか。
具体的な解決方法について、順番に見ていきましょう。
データを統合する上で、最も重要なことは、会社全体で取り組むということです。
往々にして、経営層と現場では意見が食い違います。
データ統合のメリットと必要性の共通認識なく、無理に改革が進んでしまうと、現場から強い反発を招くことに…
組織として課題を洗い出し、データをどのように整理するのか、最終的にデータをどのように活用したいのか、といった方向性をまず設定しましょう。
データ統合という1つのゴールに向かって、会社全体で取り組む必要があるのです。
データ整理の方針が固まったら、具体的な管理方法を設定しましょう。
まずは、部門ごとのデータフォーマット、システム、ツールなどを洗い出します。
他部門とデータを統合できる部分はないのか、不要なシステムやツールはないのかなどを整理するためです。
その後、データ形式を揃えられるか、ユーザーのIDを統一できるか、データの保存場所を統一できるか、アクセス権限をどうするかなどを検討します。
最終的に、これらのマニュアルを作り、運用担当者を決めてデータを管理することで、サイロ化防止につながります。
組織のデータ管理方法が決まったら、実際にシステムやツールを導入し、データを整理していきましょう。
例えば、顧客管理に顧客管理関係(CRM)ツール、マーケティング自動化にマーケティングオートメーション(MA)ツール、営業支援に営業支援(SFA)ツールなどです。
データを整理し始めると、想定していない課題やトラブルが起きるかもしれません。
部門間で連携しながら、最小限のシステムで一元管理できるように調整していきましょう。
システムを導入すれば、それで終わりではありません。
最終的にデータを活用したり、分析するためには、部門間でのコミュニケーションが必要です。
以前よりも部門間の連携を強化しながら、業務が効率化できるように改善していきましょう。
データの統合を目的とソフトウェアの具体例について、詳しく見ていきましょう。
一番身近な例として、Excelデータの統合が考えられます。
病院やクリック内で、Excelが利用されるケースは多いです。
しかし、Excelはローカル上で管理されることが多く、各部門にファイルが点在する、データを共有できないといった課題があります。
そのため、Excelデータを統合できれば、データのサイロ化を解決できる一歩になります。
そのほかの解決策として、Excelをやめて別のシステムへ以降する脱Excel化があります。
詳細については、以下の記事をお読みください。
データウェアハウスとは、様々なシステムのデータを集め、データ分析できるようにした管理ツールです。
従来の基幹系システムからデータを一箇所に蓄積することで、重複を避けてデータを効率よく保存できたり、必要な情報だけを抽出できたりします。
つまり、欲しいデータを瞬時に取り出すことで、課題に対して素早くアプローチできるようになります。
医療現場のように大量のデータが存在し、ビックデータの利活用が求められる背景からも、今後データウェアハウスは必要不可欠な存在になってくるでしょう。
SaaSとは、ユーザがアクセスしてソフトウェアを利用できるクラウドサービスです。
インターネット環境があればアクセスでき、回線が早ければローカル上で操作しているのと同じ感覚で利用できます。
1つのドキュメントやデータを複数人で共有できるため、データの統合や整理に有効です。
CSVアップロードやAPI連携により、簡単に既存システムからSaaSへデータを移行することができます。
iPaasとは、複数のクラウド上に分散されている業務システムを統合するためのサービスです。
API連携により、クラウド上で複数のSaaSを統合できます。
具体的には、以下のような自動化が、エンジニア不要で簡単に実現します。
・ユーザーがお問い合わせフォームを送信 → Excelにデータを登録 → メールアドレスやチャットツールへ通知
・メールに添付されているファイルが到着 → OneDriveなどのストレージへアップロード → 完了したらチャットツールへ通知
iPaaSを利用することで、ユーザーは複数の異なるサービスを、まるで1つのサービスを利用しているかのように扱うことができるのです。
今回はデータのサイロ化について、その原因、課題、解決方法などを解説しました。
ポイントをまとめますと、次の通りです。
- データのサイロ化は、組織構造の細分化、部門間のツールの違い、アナログデータの混在などで発生する
- データのサイロ化により、組織で意思決定が遅れ、業務効率が悪化し、品質や顧客満足度の低下につながる
- 組織全体でデータ統合の方向性を共有し、データの管理方法を決めた上でシステムを導入することがポイント
組織でデータを共有できていないケースは多いと思います。
みなさんも何度も同じ作業を繰り返したり、必要な資料を取り出すのに時間がかかったりした経験はないでしょうか。
一度データのサイロ化について課題を整理し、システム上でデータを統合してしまえば、業務効率や生産性は向上し、運用コストも抑えられます。
その結果、サービスの品質は向上し、顧客満足度も上がることでしょう。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!