こんにちは、チョトラです!
「Excelつらくなってきた…もっと効率的なツールはないかな?」
「Excelに向いている業務ってなんだろう?」
と悩んでませんか?
そこで今回は「Excelの問題点、向き不向きの仕事、Excelの代替手段」について解説します。
この記事は以下の人におすすめ!
- Excelの問題点について知りたい
- Excelの代替手段についてついて知りたい
- Excel以外のツール・システムへの移行方法を検討したい
この記事を読めば、 Excelの問題点について理解し、データ利活用に向けた次のアクションがわかるはずです!
Excelの向き不向きを理解し、自社にあった最適な方法を見つけていただけますと幸いです。
それでは、どうぞ!
ExcelはMicrosoftの代表的なソフトウェアであり、売上の集計・顧客データの管理など、様々な用途で活用されています。
一方でExcelを活用し続けることで、情報共有がしづらい、作業時間が増える、組織全体のデータ管理が困難になるなど、課題も多くなっています。
まずは、Excelを利用する上での問題点についてみていきましょう。
Excelには、複数人での情報共有が難しいというデメリットがあります。
もともとExcelは、自分のPC環境でデータの集計や分析・計算をするために、利用されました。
もし誰かとファイル共有をしたい場合、一旦クラウドや共有サーバへ置いたり、メールへ添付をしたりと、ワンアクション必要になります。
また、リアルタイム性にも問題があり、Excelは通常の使い方では同時編集ができず、相手が編集中のファイルを閲覧することができません。
このように、Excelには、複数人での情報共有に弱点があると考えられます。
Excel ファイルの管理が大変なこともデメリットといえます。
みなさまの環境で、いつ誰が何のために作ったかわからないファイル、どれが最新かわからないバージョン違いのファイルなど、たまっていないでしょうか?
情報共有が難しく、リアルタイム性に難があるとこうした問題につながり、業務効率を悪化させます。
最新情報がわからず不適切な分析となれば、経営上の意思決定に悪影響を及ぼすでしょう。
Excelに、複雑な処理やマクロと呼ばれる自動化機能が組まれた場合、メンテナンスが困難になってしまいます。
こうした自動化機能は確かに便利で、短期的には目の前の業務を楽にするかもしれません。
しかし、その人が退職して引き継げる人がいなかった場合に、メンテナンス不能となり、負の遺産として残ります。
バグが出ても誰も治せない、誰からも使われない、結局作り直される、別のツールに代替されるなど…
こうした属人化の問題を、Excelは抱えやすい性質を持ちます。
属人化について、こちらの記事もお読みください。
Excelは、同時に大量の計算を処理する上で、適切なツールとはいえません。
画像や図を多く含んでいたり、大量のデータがある場合など、ファイルの動きが重くなってしまう傾向にあります。
その結果、ファイルを開くのに時間がかかったりと、思ったように作業が進まない経験があるのではないでしょうか。
数百万人・数千万人規模の会員、数十万を超える商品データなど、大規模なやりとりが生まれるサービスに、Excelは向いていないといえます。
このようなExcelのデメリットを克服するため、近年「脱Excel」が提唱されています。
「脱Excel」とは従来のExcelをやめて、別システムへ移行することを指し、具体的には以下のような特徴があります。
メリット
- 情報共有・編集が楽に
- ファイル管理がしやすくなる
- 属人化が解消される
- 膨大なデータを管理できる
デメリット
- スタッフが慣れる必要がある
- 費用が発生する
システムへ移行することで、データの管理はしやすくなります。
なぜなら、システム上で作成されたデータは、誰がいつ作成したファイルなのかが明確になるからです。
また、アクセス権の設定も簡単で、ユーザーごとに細かく権限を変更できるため、ファイルが誤って削除される心配もありません。
Excel上で細かく設定していた関数やマクロの設定も不要なため、短時間で任意のデータを取り出しやすく、データの比較や分析もしやすくなるでしょう。
さらに、データのフォーマットや運用手順もシステム上で統一化されており、Excelのように属人的な要素はなくなります。
このように、脱Excelにはさまざまなメリットがあるといえます。
移行した新システムの導入コストが発生することはデメリットです。
もしExcelを使うのに慣れているならば、システムの使い方を新たに覚えなくてはなりません。
システムの運用費用も含め、現在のコストと見比べながら、徐々に移行していく必要があるでしょう。
これまで脱Excelのメリットをお話ししましたが、何から何まで、今の業務からExcelをなくす必要はありません。
脱Excelとともに、適材適所でExcelを活用する「活Excel」という言葉が新たに生まれております。
Excelのデメリットを特に感じず、うまく社内で運用できている業務については、無理にExcelをやめる必要はありません。
無理にやめた結果、新しいシステムの導入コストが、メリットを上回ってしまうからです。
特に問題が生まれていない既存業務には、引き続きこれまでに蓄積したノウハウを活かし、Excelを使用し続けるのが無難です。
一方で、もしExcelが苦手な業務であったり複雑な処理をしているような場合は、他のツールへの移行をご検討ください。
こうした、Excelと他ツール、それぞれの長所を活かす運用が「活Excel」の真髄といえます。
Excelに向いている仕事と、そうでない仕事について整理すると、以下のようになります。
Excelに向いている
- データ集計
- グラフや表の作成
- 帳票の作成
- 小規模なデータ分析
Excelに向いていない
- データの共有
- アクセス権の設定
- 大規模なデータ処理
- データのリアルタイム更新
- データの統合・抽出・分析
Excelは小規模なデータ整理や分析に向いています。
一方で、データサイズが大きい、処理に時間がかかる、集計が複雑になる場合、システム上で処理した方が効率的です。
そのため、Excelの全てのタスクをシステム上で処理するのではなく、小規模なタスクはExcelで処理しつつ、システムも活用しながらうまく処理していくとよいでしょう。
Excelでは短時間で処理できる業務を残し、処理に時間がかかる業務は徐々にシステムへ移行していきましょう。
それでは、Excelの代替手段についてご紹介します。
業務内容、コスト、運用面などを考慮しながら、徐々に取り入れていくとよいでしょう。
Googleスプレッドシートは、Excelと同じようにデータ集計・分析ができるツールです。
分かりやすい効果としては、「Excelをクラウド上で使えるような感覚」が得られるでしょう。
Excelのようにソフトのインストールは不要で、PCやスマートフォンのブラウザからアクセスできます。
つまり、Googleアカウントとインターネット環境があれば、誰でも利用できます。
簡単な操作で共有用のURLを発行できるため、共同編集にも向いており、閲覧・編集に対する権限設定も簡単で、編集したデータはリアルタイムで保存されるのも大きなメリットです。
Excelと同じように使えるため、大幅な業務効率の向上は期待できませんが、データをローカルで保存しないという点では、脱Excelの始めの一歩といえるツールでしょう。
Excelの代替として、ある特定の業務に特化して作られたクラウドサービス(SaaS)が有効です。
たとえば、Excel上でタスクやスケジュール管理をされている方も多いことでしょう。
ところが、Excelでは他メンバーとの情報共有ができず、タスクの期限設定は目視などアナログなチェックになりがちです。
専用ツールを利用すれば、タスクの更新状況をリアルタイムで可視化でき、業務上のタスクもれやミスも減ることでしょう。
BI (Business Intelligence) ツールとは、システム上に蓄積されたデータから、必要なデータを抽出し、活用するツールです。
具体的にはデータを収集・分析し、可視化します。
Excelのように限定的なデータ分析の結果ではなく、蓄積された大量のデータを元に分析するため、シュミレーション、データマイニングといった、より正確な分析結果が得られます。
組織内の散らばったデータを統合し、正確に分析できるため、リアルタイムで課題を見つけられ、組織としてのスピーディな意思決定に役立てることができます。
ERP (Enterprise Resources Planning) とは、企業の基幹業務を担うシステムです。
企業の限られたリソースを最適化してくれます。
あらゆる情報を一括管理することで、Excelで管理できるような単純作業をなるべく減らし、運用コストを抑えます。
そして、付属のBIツールにより、従来見えづらかった課題が正確に可視化されます。
顧客・プロジェクト・購買・在庫管理といった一般的な業務活動を最適化できるようなシステムとなっています。
大規模なシステムとなりますので、導入コストと従来の運用コストを比較しながら、慎重に導入を検討していきましょう。
それでは、どのように脱Excelを進めていけばよいのでしょうか。
ここからは、具体的なステップをみていきましょう。
まずは組織全体で、部門ごとにどのような業務が存在しているかを細かく洗い出しましょう。
Excelやシステムといったツールを利用している業務はもちろんですが、それ以外の全ての業務を洗い出しましょう。
業務が発生するタイミング、回数、業務の連携、共通業務なども整理していくと、どこに無駄があるのかを把握でき、脱Excelに向けてのヒントになります。
部門ごとの業務を洗い出せたら、その中の業務において、課題がないかをチェックしましょう。
例えば、処理に時間がかかっている、何度も繰り返し発生する、連携したい、自動化したいなどです。
業務を洗い出せたら、上記の「Excelに適した仕事」を参考にしながら、その業務はExcelでないと本当にできないのかを検討しましょう。
専門性がある、特殊な計算をしている、などよほどのことがない限り、他ツールやシステムへの移行は可能です。
上記の「脱Excel後の代替手段」を参考にしながら、業務に応じた理想的なツールを書き出します。
導入コストやタイミングを考慮しながら、最適なツールを選定してみましょう。
共通している業務、部門をまたぐ業務など、全体のボリュームや影響度がわかれば、脱Excelの優先度も見えてきます。
脱Excelの方向性が固まれば、実際にツールやシステムを導入して業務が効率化できているのかを検証しましょう。
システムやツールを導入しただけで終わりではありません。システムの使い方や連携など、導入による新たな課題が見えてくるはずです。
少しずつ改善しながら、組織全体の業務が最適化できるように脱Excelを進めていきましょう。
今回は脱Excelについて、メリットやデメリット、適した業務、代替手段など解説しました。
ポイントをまとめますと、次の通りです。
- Excelには、情報共有やデータ管理が難しい、属人化しやすい、大量に処理できないといった課題がある
- Excelには向き不向きがあり、脱Excelと活Excelを並行して行うことが重要である
- 脱Excelの代替手段としては、Googleスプレッドシート、業務システム、BIツール、ERPなどがある
医療現場において、Excelを活用し続けている組織は多いことと思います。
しかしExcelには向き不向きがあるため、業務効率が低下している可能性がどこかにあるかもしれません。
医療の特性上、大量の患者データ、病気や診療内容などビックデータを扱う傾向にあり、上述のように大規模データの集計・分析が苦手であるExcelでは、力不足といえます。
また、攻めのDXを目指す上でも、クラウドではなく各人がローカル管理、ファイル管理コストの問題、リアルタイム性の問題、ツールの連携が難しいなどのExcelの特徴は、データの利活用において足枷になると思われます。
では、強引にトップダウンで一気にExcelの代替ツールを現場へ導入すれば良いのでしょうか?
そんな訳ありませんね…
特に医療者はITに苦手意識を持つ人が多く、現場からの反発をうむこと間違いなしでしょう。
そんなときは、ぜひこの記事の脱Excelの進め方や代替ツールなどを参考にしてみてください。
特にGoogle SpreadSheetの利用は、ハードルも低く無料で始められるため、まずできる第一歩として有効でしょう。
みなさまの環境で脱Excelと活Excelの境界を冷静に見極め、業務の最適化につながれば幸いです。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました!